太陽光発電の売電価格はこれからどうなる?
太陽光発電でつくった電気を電力会社が買い取る、売電制度。この買取価格が10年間固定される固定買取価格制度(FIT)や、FIT終了後の売電について解説しています。
固定買取価格制度(FIT)
とは?
太陽光発電でつくり出した電気を電力会社に売る、いわゆる「売電」。今までは、電力会社が電気を買い取る価格が国の政策で決められていました。これを固定買取価格制度(FIT)と呼んでいます。
買取り価格を保証することで、高価な太陽光発電の導入のハードルを下げることが目的でした。
これによって太陽光発電の導入が促進された経緯があります。
このFITは、買取り価格を10年間保証するというもの。この固定価格買取り期間が終了することを「卒FIT」と言います。2009年に設けられたたFITを最初に利用した人たちが2019年に卒FITするため、このころから卒FIT後の売電をどうするか、という問題がクローズアップされるようになったのです。
2022年4月始まっているFIP制度
とは?
FIP制度とは、再生可能エネルギーの買取価格を決定する仕組みのことで、市場価格に「プレミアム単価」を上乗せして、両方を合わせたものを買取価格とする制度です。ドイツなど、再生可能エネルギーの導入が進んでいる国ではすでに導入されており、日本では2022年4月にはじまりました。
これまでのFIT制度では、電気の買取価格は、市場価格にかかわらず一定でした。いつでも固定価格での買取りが保証されていたため、夜中のように電気の需要がなく、市場価格が安いときに売れば受け取れる利益が大きくなります。
FIT制度の原資となっていたのは、電力料金と一緒に徴収される「再エネ賦課金」です。
そのため、FIT制度によって売電業者に市場が動かされていたばかりか、国民の負担につながっていたのです。
「発電事業者優遇の制度」となってしまっていたFIT制度を見直し、電力市場の競争を活性化するためにはじまったのがFIP制度です。
市場での正しい競争を促し、消費者(国民)の負担を減らすことにつながるとして期待されています。
電力の買取り価格は
年々下がり続けている
では、現在にいたるまで電気の買取価格はどのように推移してきたのでしょうか。
2009年の売電価格は1kWhあたり48円。そこから継続的に値下がりを続け、2021年には半分以下の19円となっています。2022年のFIT売電価格は17円となっていますが、FIT制度自体は継続しているので10年間はこの価格で買取りが行われます。
ちなみに、FITを終えても、新しく電力事業者との買取り契約を結ぶことで引き続きつくり出した電力を売ることは可能です。余剰電力は売電して現金に替えるという選択肢は今後も利用できます。
卒FIT後の売電価格
FIT制度は、2019年より順次満了を迎えてきています。ポストFITでは、売電価格は減額されるものの、余剰売電は継続されます。全国の主な電力会社、新電力会社の買取単価は以下の通りです。主要電力会社
| 電力会社 | 買取価格 |
|---|---|
北海道電力 |
8.0円/kWh |
東北電力 |
9.0円/kWh |
東京電力 |
8.5円/kWh(卒FIT翌日から翌年度末日まで) |
北陸電力 |
1~17円/kWh ※固定単価プラン:一律8円/kWh ※余剰買取量に応じた年間定額プランもあり |
中部電力 |
7~12円/kWh 他買取プランに応じて変動 |
関西電力 |
8円/kWh |
中国電力 |
7.15円/kWh |
四国電力 |
7円/kWh ※買取プランサービス利用料2,700円/月、150kWh/月まで預かり、超過分余剰買取8円/kWh |
九州電力 |
7円/kWh |
沖縄電力 |
7.5円/kWh |
新電力
| 電力会社 | 買取価格 |
|---|---|
スマートテック |
10円/kWh |
昭和シェル石油 |
7.5円/kWh(九州)、8.5円/kWh(九州・沖縄以外) |
静岡ガス |
7円/kWh+α(静岡全域、山梨・長野の一部) |
積水ハウスオーナーでんき |
11円/kWh(※清水ハウスのオーナーに限る) |
スマートハイムでんき |
12円/kWh(蓄電池付)、9円/kWh(太陽光のみ) ※セキスイハイムのオーナー限定 |
シェアリングエネルギー |
8円/kWh ※東北、関東、中部、近畿、中国、九州エリア |
卒FIT後の上手な太陽光の
使い方
国の政策の流れを見ていると、今後、日本は売電目的の発電システムではなく、自家消費や家庭用蓄電池の普及を目指していることがわかります。
卒FIT後は、発電して「儲ける」のではなく、自家発電と自家消費によって、家計の光熱費負担を抑える目的で設置する人が増えていくでしょう。
これから太陽光発電の導入を検討するなら、卒FITを見据えた使い方を知っておくのが賢明です。
自家消費
自家発電した電力を自家消費するというのは、すなわち高い電気代で電気を購入せずに電気代を節約することに繋がります。しかも、発電して余った電力も、FIP制度に則って買い取られるためムダにはなりません。
相次ぐ燃料価格の高騰や円安の影響によって、値上がりし続ける電気代を心配せずにすみます。
今後は自家消費のメリットが大きくなると考えるべきでしょう。
蓄電池を併用することでもっとお得に自家消費
太陽光システムでは、発電まではできますが、電気を貯めておくことができません。これまではFIT制度によって余った電力は電力会社が買い取ってくれましたが、FIT後は売電価格が減額するほか、電力会社による買取義務もなくなります。
得られるメリットは少なくなっていくため、今後は蓄電池の導入がおすすめです。
蓄電池があれば発電した電気を貯めておき、天気の悪い日などにも利用できるようになります。
買取価格が高い電力会社へ乗り換える
卒FIT後の電力会社は、継続契約のためにさまざまなお得なプランを用意すると予測されます。
また、新電力(PPS)も売電価格を高くするなどでシェア獲得に動くでしょう。
今後は、買取価格が高い電力会社へ乗り換えて、使わない電力を少しでも高く売る工夫をしておくことも大切です。
売電だけでなく太陽光発電の
導入費用も安くなっている
国は自家消費を進める目的で、高額な太陽光システムや蓄電池も購入しやすいよう、国や各自治体から補助金を交付しています。
太陽光システムの設置は自治体、蓄電池は国からの補助金が出ますので、必ずチェックしてください。
補助金について、詳しくは自宅のある自治体のホームページを確認するか、地域の制度や手続きに詳しい施工店に相談すると良いでしょう。
ただし、補助金には上限額があり、予算に達すると受付が終了してしまいます。補助金を希望する方は早めの問い合わせが大切です。
卒FIT後は蓄電池で
自家消費がお得!
では、FITを利用せずに売電するとどれくらいの価格になるのでしょうか。
2021年の全国の大手電力会社の買取り価格を見ると、安い地域で1kWhあたり7円、高くても9円となっています。下がり続けているFITよりもさらに半分ほどの価格になっていて、売電のメリットが薄れています。そのため、卒FIT後はつくった電力は自宅で消費するほうがメリットは大きいと考えることもできます。
家庭用蓄電池に電力を貯めておき、発電が止まる夜間は蓄電池の電気を使って生活することができます。電気自動車や、IHやエコキュートでガスの代わりに電気を使うという手もあります。電気代やガス代を節約することができるので、太陽光発電に経済的なメリットがあることに代わりはありません。
もちろん売電し続けるという選択肢もあります。
FITが利用できる10年ほどで購入費用がまかなえるようになっているので、その点はご安心ください。
よく考えておこう
固定買取価格制度(FIT)と卒FITについて解説してきました。
太陽光発電を導入する際には、売電や自家消費で元を取ることについて考えなければなりません。自宅で発電した電気を使い、余った分を売電することで電気代を抑えながら売電収入を得ることも可能です。太陽光発電の経済的なメリットについて、チェックしておくとよいでしょう。
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